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semスキン用のアイコン01 コーヒーの真空パック semスキン用のアイコン02

  

2010年 02月 21日

コーヒー豆は煎りたての状態から、徐々に酸化してゆきます。
「酸化」という言葉には抵抗がありますが、現実には避けられないものです。
酸素がそこにあれば、生き物も金属も遅かれ早かれ酸化します。

実験によれば、酸素濃度は1%と10%の場合を比較しても、酸化の進行は大差ないそうです。
(開封して有酸素状態にしてしまえば、保存形態に関わらず酸化します)
この点、真空パックは酸素を食品から遠ざける効果があります。

 ***
コーヒー豆(焙煎ずみのもの)を真空パックするには、ある準備が必要です。
デガスと呼ばれる、ガス抜き作業です。

煎りたてのコーヒー豆は、炭酸ガスを放出します。その体積は、
豆体積の5倍に達するとも言われます。密封可能な袋に煎りたての豆を入れると、
翌日にはガスの圧力で風船のようになります。

このように、煎りたてのコーヒー豆は真空パック作業に適していません。
デガスは、煎り豆を粉に挽いて数日放置し、ガスの放出を終えた状態の豆を
パッキングします(豆のままならさらに時間を掛けることになります)。

 ***
コーヒーの魅力のひとつに、香りの豊かさがあります。
香り成分は炭酸ガスの放出と一緒に、空気中に放たれます。
デガスを行うことで、一定の品質保持は可能となりますが、
替わりに失うものがあります。

「真空パック」はありがたい技術のひとつですが、
コーヒーとの相性は検討の余地があるようです。

by mottano | 2010-02-21 00:03 |  コーヒー生豆・煎り豆